東京株式市場は連休明けの7日、日経平均が4月末に比べて261円11銭安い9119円と急落した。 下げ幅は今年最大で2月に実施された日銀の金融緩和発表後の上昇分を早くも打ち消すことになった。
原因は色々考えられる。
1.米国雇用統計がよくなかった。
2.ヨーロッパ金融危機、特にスペイン国債の信用度が下がってきている。
3.フランスの総選挙でサルコジ大統領が負けた。
4.ギリシャでも緊縮財政への国民の不満が再び高まり連立解消か?
5.一時円安に動いていた為替が再びユーロ安、ドル安円高に動いた。
6.小沢無罪で消費税をめぐる与党内の軋轢が増しそう。
7.例年5月は外人が売り越す時期である。
前の週の米国市場も安かったことから、寄付きから売り物ばかりが目立つ展開。 主力輸出株、金融株を中心に値を下げほぼ全面安。3ヶ月ぶりの安値圏の展開になった。
通常主力株が安いときには内需株、NET株、新興株が値上がりするのがこれまでのパターンであったが、大型連休中に消費者庁が「携帯電話ゲームのコンプリートガチャは景品表示法に抵触する可能性がある」との判断を示した旨の
News が流れ、SNS 関連株、特に DeNA と GREE の株は寄付きから売り気配で、いずれもストップ安500円安で値がついた後も売り気配が続いた。
8日こそ寄り付きは小反発したが、戻りは鈍く、DeNAは寄り2007円、2043円高値、1700円安値があって1961円は29円安で引けた。
SNSゲームに関しては3月、射幸心をあおるとして問題視されて下げていたが、その後業界が自主規制することで決着がつきそうだという観測で、下げ基調に転じた国際優良株を尻目に4月には高値を付けていただけに、消費者庁の方針とこの日の下げは衝撃をもって受け止められている。
ただし出来高はDeNA が2300万株弱、GREEが 4600万株と値嵩株にしては異例な出来高で、売買代金でも市場第1位と第2位とダントツの上位になった。
Chart を見てもわかるように8日のように長い下ひげをつ、けかつ出来高が多いときには株価は底を付けたと判断されることが多い。
「コンプガチャ」をめぐっては特にGREE の収益源の一つであったから影響は大きいと見られるが、さすがにこの2日間の下げで影響は織り込んだと見るのがよいのではないか?
相場全体としては下げすぎだと思うが、トレンドとしてははっきりとした下げ基調である。 戻ったところは売りが基本だと思うが、SNS 関連についてはこの二日間で目先の売り物は出尽くしたと私は考える。
折からFacebook が上場する。 今後のNET株、新興株に期待したい。