VIX指数というのは1990年にシカゴオプション取引所が作った指数で、米国株式市場のSP500 を対象とするオプション取引の値動きを基に算出されます。
Volatitlity Index(VIX指数、別名恐怖指数) と呼ばれ相場が波乱含みにあるときにこの指数が高くなります。 ありていに言えば、相場の変動に不安が高く、極端な値動きに陥る可能性が高いときにVIX 指数は高くなります。
米国ではVIX 指数自体が上場されており、取引することができます。 日本でもVIX 指数のETFが上場されていますので取引することができます。
Volatile とは日本語に訳しにくい言葉ですが、通常「脆弱性」と表現されます。もともとは自然科学において物質の不安定性を表す言葉として使用されていました。 vlolatile substance (揮発性物質)、volatile oil (揮発油)などです。
a volatile temper (かんしゃく)の意味でもよく使われますが、要するに安定を欠いてどちらにも変化しやすい脆弱な状態、不安定な状態を表現するのに使われます。
一方Programming の世界では、放っておくと勝手に最適化が行われてしまってProgram 本来の働きができない場合に、予期せぬ最適化を抑制するためのコマンドとしてVolatile 指定をすることがあります。
このところ世界の株式市場ではVIX指数が高騰し、市場に暴落の恐怖が蔓延して株価は不安定な値動きを続けています。、VIX指数はかつてないほど高値を付けています。 これまでの最低値では、バブル崩壊後の1993年の12月24日に9.48 を記録しています。 その後1997年のアジア通貨危機の時に 38.20 を記録、1998年8月のロシア通貨危機、同時多発テロなどの時にもVIX指数は40を超え、株価は暴落しました。
VIX指数の平常値は10ないし20で推移することが多いのですが、これまで最も
VIX指数が高くなったのは2008年10月のリーマンショックの時で、89.53というとてつもない高い数字を記録しています。
このチャートはVIX 指数と日経平均株価の関係を表したチャートで、VIX指数が高まるほど日経平均株価は下落することを示しています。 グラフでオレンジのラインが日本におけるVIX指数。 深緑色が本家アメリカにおけるVIX指数、そして淡い緑色が欧州におけるVIX指数の動きを表すグラフです。
10月に入って欧州市場でVIX指数が30を超えるところにまで急騰しました。米州でも25近辺まで上昇。 日本では1日遅れで欧州の動きをなぞる形で30を超えました。 日経平均株価はこのとき下離れて大きく下落しました。
VIX指数をポートフォリオに組み込んで、株価暴落に備えたヘッジが取れればよいのですが、素人投資家の悲しさ今のところうまく取り入れることができていません。 せいぜいVIX指数が高くなったときに信用取引で空売り比率を50% 近くにまで高めているくらいでしょうか。
よく調べてみると国際のETF(銘柄番号1552) VIX 短期先物指数というものが上場されていることがわかりました。
http://www.nikkei.com/markets/chart/#!/1552
このチャートによると10月に入ってから指数が800台から1000を超える状態にまで急騰していることがわかります。10月16日には1120の高値を付けています。 また出来高も大きく膨らんでいます。 20日の終値も1004ですので、株価は大きく上昇しましたが、依然としてVIX指数は平常状態を2割以上上回るところで推移しています。 つまり市場関係者は、まだまだこの先波乱があることを予想していて不安な心理状態にあることを意味しています。
個人的な感想を言わせていただければ、今日のような値動きは私のような投資家にとっては歓迎すべき動きで、私は先週末の急落場面で仕込んだいくつかの銘柄を売りました。 まだまだ上値があるかもしれませんが、一日に3%を超える上昇を見た時には売ることにしています。
こうした相場つきの場合にはちょっとした取引のアヤで突拍子もない値段を付けることがままあり、安値、高値で指値しているとうまく買えたり売れたりすることもあります。 相場全体の流れに乗る一方で、他人が買っているときには売り、売っているときには買うという思い切りも必要です。
何せ相場参加者の8割は損をしているというのですから、参加者の大勢と同じ動きではなく、天邪鬼の動きをとらないと残る2割にはなれません。
今後もVIX指数をにらみながら波乱の10月を乗り切りたいと思っています。