前立腺がんの最も有用な検査であるPSA検査ですが、PSAには遊離型PSA(Free Prostate-Specific Antigen タンパク比結合型) と結合型PSA(complesed PSA) の2種類があることを知りました。
https://ganjoho.jp/public/cancer/prostate/print.html

一般に測定されるのは遊離型PSAと結合型PSAの総和ですが、総和に占める遊離型PSAの割合(F/T比)が前立腺がんとほかの病気(前立腺肥大症)との鑑別に用いられます。

全体のPSAに占める遊離型PSAの値が小さい場合には前立腺がんの可能性が高いと判断されるわけです。

特にPSA値が4.1.から10..0ng・ml のグレーゾーンの診断において、不要な検査等を避ける目的でF/T比が有用とされる。

Sysmex のHPでは再生検を勧めるPSA F/T 比のカットオフ値を0.25としています。
https://primary-care.sysmex.co.jp/speed-search/index.cgi?c=speed_search-2&pk=319#bottom01

理由としてfree PSA は腎臓から排泄されるために、高度の腎機能障害の患者においてF/T比が異常に高い場合があるとされる。
逆に free PSA が低い場合には結合型PSAの割合が高く、腫瘍などによる組織の崩壊により析出される可能性が高いということになります。

私の今回のケースではF/T比の話題は出ませんでした。 PSA値がそもそも10.0を超えている場合、まず精密検査をすべきと判断されますので、グレーゾーンに対する検査とはもともと異なるというわけです。