このチャートは日本プライムリアルティ投資法人(8955.T)の過去5年間の株価チャートです。 ご覧のように今年2月安値の35万円がらみから11月に入って連騰に次ぐ連騰で三段上げ、四段上げの様相を呈しています。
8月から40万円前後でのもみ合いが2ヶ月続いていたのですが、11月一月足らずで5万円、12%近い上昇を示しています。
この株の直近高値は2016年4月末の504000円というのがありますが、勢いとチャートの形から言ってこの高値を更新する可能性も十分にあります。
なぜこれほどにREITの価格が上昇したかを考えてみると、私は米国の金利動向が大きな影響を及ぼしている、もしくは10月からの株価の調整が影響していると考えます。
つまり、10月はじめまでは米国経済は米中貿易摩擦に関係なく絶好調を維持してきましたが、BREXIT問題、イタリアの国家予算問題、はたまた米国中間選挙で与野党ねじれ状態になったことなどから、米国のみならず世界の景気の先行きに暗雲が立ち込めてきました。 そのことが米国景気に与える悪影響が懸念され、これまでの予想に比べて米国の利上げペースが落ちるのではないかとの懸念が広まってきた結果だと考えるわけです。
実際に至近のFRBパウエル議長の証言でも金利は経済に対して中立的な位置に達していると飲み方が示され、12月の利上げにも疑問が持たれてきています。 ということはこれまで米国金利は年間0.75-1.00ベーシスでの上昇が見込まれていたものが、頭打ちになる可能性が強くなってきたというわけです。
世界景気が中国の景気減速、米国以外の景気の落ち込みにより失速する中で、米国だけの好景気謳歌は考えづらくなったことを意味しており、10年続いた好景気は曲がり角にたち、今後緩やかに減速する可能性が見えてきたということです。 そうなれば当然金利上昇はとまり、むしろ金融緩和に逆戻りする可能性さえあるわけです。
そのことが回り回って日本の金利上昇の頭打ちを示唆し、利回り株にこれまで以上の妙味が出てきたという見方につながるわけです。
日本プライムリアルティに限らず日本のREIT の利回りは5%近いものがゴロゴロしています。 商社銀行、自動車株などの配当利回りも5%近い株がゴロゴロしています。
銀行や自動車株は今後の金利低下と日米貿易摩擦を考えると投資しづらく、投資の眼が向かうのは利回りが高く今後も続くと思われる不動産投資に関連するREITだというわけです。
上に示したようなチャートは、どこかで確信を持った投資家もしくはグループが腰を据えて買いに入っているときに出る形です。 すでに12%を超える上昇で利食いゾーンに入っているかもしれませんが、こうしたチャートの場合、初押しは絶好の買い場になる可能性が高いと言えます。 5%近い下げがあった場合には迷わず買って良いのではないでしょうか?