還暦からの出発

日々の出来事と経済の動きを語る。花とカメラ、PCについての情報も。

2015年02月

魚をさばく

今日は地元の社会福祉協議会が主催する「男の料理教室」に参加してきました。 本日のテーマはずばり「魚をさばく」です。

エプロン、バンダナ、ふきんを用意して入り口で参加費500円を払って会場に入ります。 6,7人が作業できる調理台が講師用を含めて5台あり、受講者は私を含めて高齢者の男性15人、お手伝いをしてくれる社協の女性委員6名に料理の先生1名のゆったりとした教室です。 3つのテーブルに6人ずつに分かれて作業をすることになました。

この日のために社協の委員が朝市場まで出かけて活きのよいイナダ、アジ、イワシを仕入れてくれていました。 イナダは6人に一匹、アジとイワシは一人一尾づつ割り当てられそれぞれ調理することになります。

本日のメニューです。

  1. アジのたたき
  2. イワシのハンバーグ
  3. はまちの柚子ソースかけ
  4. 菜の花の塩麹和え
  5. あら汁

まずは本日のメインイベント、ハマチ(イナダ)とアジのさばき方です。 最近では女性でも魚を丸ごと買って来て自らさばくことが少なくなっています。 一匹単位で買う場合でも魚屋さんでさばいてもらって持ち帰ることが多いですからね。男性でも釣りが好きな人などは別ですが、今回参加者でも魚をさばいた経験がない人がほとんどでした。

私も30年前に一度イナダをさばいたことがあるだけでまったくの未経験者といっていいでしょう。 ただ料理番組はよく見ますし、調理本は何冊か読んだことがあるのでどうやるかは頭の中ではわかってDSC_0481いるつもりでした。

 

DSC_0482


ところがいざやってみると、考えているのと実際に包丁を持ってできるかは全く別の問題だということがよくわかります。 包丁をどこからどういう角度で入れたらよいのか、頭のほうから入れるのか尾のほうから入れるのか、また背から入れるか腹から入れるか。 皮をむくときはどちらからどういう方向に剥いていくのか。 5分前にデモを見たはずなのに思い出せない。

イナダを三枚におろすにしても、うまく骨に沿って包丁が動かないのでどうしても骨についた肉が多くなり、食べる部分が少なくなってしまう。
また皮をむくときに、基本は尾の方から包丁を入れてむいていくのですが、どうしてもうまくむず、そのうち身が崩れてぐしゃぐしゃになってしまいます。

結局先生がおろしたイナダはちゃんと柵になっていましたが、我々がおろしたものは角が立っておらず、くたっとした形です。

中くらいのアジをおろす時は下手をするとほとんど食べるところがなくなってしまいます。 どうせたたきにするのですが、叩かなくてもグタグタになっていたりします。 まあイナダもアジもあら汁を美味しくしているのだというくらいの気持ちでやりました。 実際あら汁は美味しかったですよ。

その点イワシは簡単ですね。 手で裂けるしはらわたも骨も手で抜いてしまうことができます。 さらに今日はハンバーグにするので見た目は関係ありませんから気が楽です。

DSC_0491

2時間かかって出来上がりです。 右手前がイワシのハンバーグ。 あっさりしてうまい。 つなぎに麩を砕いたもの、具に焼き豆腐、生姜生シイタケとイワシのみじん切りをこねて形を作り、大葉でくるんで焼いたものです。

左手前はイナダのゆずソースがけ。 3枚におろして骨を抜いた後さっと火を通したものを切り、柚子マヨネーズソースをかけていただきます。

左奥は菜の花、人参、たくあんを塩麹にしばらくつけておいたものです。 人参は細い短冊に切れば20分ほどで塩麹の味がしみ込みます。 たくあんを入れて食感を出しています。 菜の花はさっと湯がいて最後に和えます。

奥中央がアジのたたきです。 入れる器の色がよくなかったと反省。
1人あたりアジ1匹分ありますから結構なボリュームになるはずですが、本来食べられる分の1/3くらいがあら汁のほうに行ってしまっています。

あら汁には酒粕、長ネギ、味噌が入ります。 活きのいいイナダ、アジのあらだったので美味しいはずです。身もいっぱいついていましたから。

本日の料理は良い材料を使い、量もしっかりありました。 お米もコシヒカリ。質量ともに満腹のお昼ごはんになりました。 ご近所の同年輩の人たちとも顔つなぎができたし有意義な時間を過ごすことができました。 ごちそうさま。

マヤ・インカに縄文人を追う

「マヤ・インカに縄文人を追う」
野口 赫宙 (著)
1989年 新芸術社刊

野口 赫宙 氏は1905年朝鮮慶尚北道 の生まれ、本名は張恩重(チャン・ウンジュン、장은중)
14歳ごろ結婚し、1932年には雑誌「改造」の懸賞小説に「飢餓道」が入選、作家デビューを果たします。

初期はプロレタリア文学の影響を強く受けた作品が多いのですが、その後「加藤清正」秀吉の「朝鮮出兵」を題材とした歴史小説、その後は軍国小説を数多く発表しています。

1932年日本人の野口はなこと結婚、戦後日本に帰化「野口稔」となります。
1952年からは張赫宙名から野口赫宙の作家名で書くようになり、自伝、ミステリーからがん問題、旅行記など幅広い著作を表しています。 1997年没。

この本は1989年発刊ですから当時野口は84歳。 ということは彼がマヤ・インカの取材旅行をしたのは1980年代、つまり彼は旅行当時75歳を超えていたことになります。

内容も面白いのですが、何よりも70代後半、しかも一人でマヤ・インカの奥地にまで出かけていき、マチュピチュの神殿にまで昇っているのですから驚きます。
何という好奇心、何という底知れないパワーの持ち主なのでしょう。

この本は縄文人(日本に朝鮮などからの渡来人が来る前に住んでいた人たちの文化、風習がマヤ・インカのものと酷似しているものが多いということから端を発しています。 そして縄文土器、土偶、数の数え方、表記の仕方などから、紀元前に日本人の祖先と同じ民族が海を渡り、あるいはベーリング海峡をへて中南米にまで至ったことを確認しようというものです。

おそらくその原点はミシガン大学のローリング・プレイスなどによる人類学的な検証結果(アメリカの原住民の頭蓋骨はモンゴロイドとの共通点が少なく、日本の縄文人やアイヌ、ポリネシア人と共通する点が多い)などに立脚するものと考えられますが、縄文土器、土偶、縄文の類似性に注目する学者も多いようです。

二つの文化の関連性を調べるのに、特異な類似点を取り上げるのはよくあることです。 たとえばマヤと日本語の共通点に、太陽神を信仰していること、共通語(父:チチ、母:カカ)などが挙げられますが、それをもって即ルーツが同じだとはとうてい言えません。

しかし野口氏が行く先々で感じた同族としての共感や土器に対する類似点の記述を見ていると、縄文人がマヤの祖先であるという説はかなりの説得力があるように感じられます。

それにしてもスペイン人がマヤ・アステカの文明を破壊しつくし、殺戮し、文化財を跡形なく消し去った暴挙は返す返すも残念です。

環太平洋の縄文人というサイトに栗田盛一氏が詳しい説明をされていますので興味のある方は覗いてみられるとよいと思います。 そこに「神々の指紋」が見つかるかもしれません。
http://www.jsdi.or.jp/~kuri/KABUDATA/kodaishi-kan-taiheiyo.htm

ウド(独活)

春になりスーパーの野菜売り場に白ウドが並ぶ季節になりました。

白ウドは主に立川市を中心とした東京都多摩地区の特産品として知られていますが、現在市場に出回っているものはほとんどが栃木県か群馬県産で、両県でほぼ70%を占めます。 (秋田東京産がそれぞれ10%程度)
東京産のものは12月から9月まで出回っていますが、栃木産のものは冬の間だけ、茨城県産のウドは春から秋にかけて出回ります。(東京青果組合産地カレンダー)

ほとんどが栽培もので、主に晩秋から冬にかけて出荷されるものは「寒ウド」、春に出荷されるものは「春ウド」と呼ばれますすが、旬で美味しいとされるのは春ウドの3月から5月にかけてです。
写真はいわばウドのモヤシ栽培といったところですね。

「ウド」の画像検索結果露地物が食べられるのは極めて短い時期だけで、九州など早い所で3月から、本州中部で4月、東北で5月から6月が旬とされます。

ウコギ科タラノキ族だそうですから、タラの芽に似ていて蕾や若芽を天ぷらにして食べると美味しいそうです。
写真は山ウドでややアクが強く、山菜と同様アク抜きをして天ぷらにしたり、ゆでてぬたや酢味噌和えにすると独特の風味が美味しいです。

白ウドでも軽いアクがありすぐに変色しますから酢水にさらす必要がありますが、煮浸しやサラダにしてもおいしいです。 皮をきんぴらにしたものも独特の歯触りと軽い苦みがあって私は好きです。

さてウドを感じでなぜ「独活」と書くかについては諸説あるようです。

  1. 茎が中空であるという意味の「宇登呂(うどろ)」から来ているという説
    実際に木にはならない草ですが成長すると茎の中が中空になります。
  2. 風もないのに動くように見えることから「うごく」とよばれていたのがいつのまにか「うど」になったという説。 独りで動く活動するからからウドというわけです。
  3. 土の中にうずくまっている若い芽を食用にすることから「埋(うぞ)」が転じた。
  4. 埋まっている所つまり「埋所(ウド)」だとする説。

ウドは山菜として自生もしていて放っておくと2,3メートルの大きさになりますが、厳密には木ではなく多年草です。ウドの大木という慣用句は「図体は大きいが役立たず」の代名詞のように使われますが、ウドは若いうちだと美味しく食べられますが、成長してしまうと食べられなくなりますし、もちろん木じゃないので建材としても杖にも棒にもなりません。

実はウドは数少ない日本原産の植物だそうです。 英語でも「Udo Salad」 と呼びます。 外国人に春を告げるこの味わいがわかるでしょうか?

雪間より薄紫の芽独活かな      芭蕉

ICカード券面事項等表示ソフトウェア

住基カードを持っています。 しかし住民票コードを忘れてしまいました。
実は不動産の登記住所を変更する必要があり、住民票コードがあれば、住所変更を証明する住民票の提出を省略できるとあったので、住基カードに住民票コードが格納されているのではないかと思ったわけです。

「住民票基本台帳カードの総合情報サイト」に入ってみると、住基カード及びICカードか運転免許証のICチップに記録された券面事項を読み出し、画面に表示できるソフトウェアがあることがわかりました。対応OS, ICカードリーダーライターに制限がありますが、私の場合すべてクリアしています。

早速ダウンロードして使ってみることにしました。
「券面事項等表示ソフトウェアLite_np版」というソフトウェアです。

いったいどんな情報がICチップに書き込まれているのだろうと少しワクワクしながらまず住基カードを差し込んで立ち上げてみます。

すると「このカードには画面に表示すべき情報が記録されていません」と出ました。 どうもこの住基カードは対応していないようです。

次に運転免許証を差し込んでみます。

Prntscrn

今度はちゃんと立ちあがり、パスワード入力画面になりました。 二つのパスワードを入力すると免許証の記載事項が現れます。 確定ボタンを押します。

ICLicense

出てきた画面がこれです。 免許証に表示されている情報そのものです。
本籍地も出ませんし、交通違反履歴などもまったくでません。

何のことはない個人ではまったく意味のないソフトウェアだということがわかりました。 速攻アンインストールしました。 時間と手間をかけてくたびれもうけ以外の何物でもありませんでした。

要するにこのソフトウェアは、住基カードや免許証に書き込まれた情報と、券面に印刷されている情報に齟齬がないかを確認するためだけのソフトウェアで、それ以上のものではないということです。

よく見ると注意書きにそう書いてありました。 市役所や警察が、住基カードや免許証が偽造されたものではないかどうかを調べるためのソフトウェアなのだと。 しかも住基カードでもQRコードが入った比較的新しいカードじゃないと読み込めません。

どうしてこうしたソフトウェアが住民基本台帳カード総合情報サイトにおいてあるのか理解に苦しみます。 却ってソフトウェアを悪用して偽造するのを助長するような気がします。 公的機関や金融機関以外にこのソフトが必要な人はいるのでしょうか? まったくわかりません。

「かわいい自分には旅をさせよ」

「かわいい自分には旅をさせよ」
浅田次郎著
2013年1月 文芸春秋刊

変わった本です。
小説ではないし、随筆でもない。
いろいろな雑誌、週刊誌などに書いた随筆や旅行記のようなものを集めたものですが、ちょうど真ん中部分になんと時代劇の小説が入っているという構成です。

小説は第3章に入っていて「かっぱぎ権左」という40ページほどの時代小説です。

そのほかの章の中身は随筆、あとがき、新聞、週刊誌、月刊誌などに浅田氏が書いた文章です。 長くても3ページくらいの文章になります。

さすがにストーリーテラーらしく短い文章の中にもちゃんと起承転結があって読むものを飽かせることはありません。

第1章「帰れずとも帰るべき町」では京都、伊勢、多摩川などを訪れた時ことを書いています。

第2章では「パリからのラブ・レター」と題して外国、シチリア、パリ、北京、上海、ラスベガスなどを訪れた時のことを。

第4章では「下戸の福音」として主に中国の歴史と浅田氏が書いた中国の歴史上の人物とのつながりを。

第5、第6、第7章では、戦争と自衛隊、三島由紀夫と浅田氏、生い立ちと小説家になった経緯などが語られます。

読み終わっていったいこの本は何を言わんとしているのかがわかりません。 ま浅田次郎という作家がどう考え、どういう生い立ちで物書きになったのか、売れっ子作家にどうなったのか、バックボーンには自衛隊での経験と三島、川端康成、谷崎潤一郎、司馬遼太郎の影響が大きかったことはわかりますが、どうにも短文ばかりでまとまりがないのです。

面白い本ではありますが、どうも浅田氏がこれまでに書いた短文をまとめて本にするために急いで寄せ集めたものに過ぎない感じがしてなりません。

この本のタイトルも今一つピンときません。 あまりにも雑多なテーマが盛り込まれすぎているために、「これらの集大成が浅田次郎なのだ」とはいえるかもしれませんが、ふうんそうか、だからどうしたといいたい気持ちを抑えきれません。
新幹線や飛行機の中でちょっと時間つぶしに読むにはよい本かもしれませんが、浅田次郎の本だからと意気込んで読み始めると肩透かしを食らいます。

記事検索
月別アーカイブ
ギャラリー
  • なんか変だよアマリリス
  • なんか変だよアマリリス
  • なんか変だよアマリリス
  • なんか変だよアマリリス
  • 葉牡丹と春菊のサラダ
  • 葉牡丹と春菊のサラダ
  • 葉牡丹と春菊のサラダ
  • 葉牡丹と春菊のサラダ
  • 今年も咲いたアマリリス
  • 今年も咲いたアマリリス
  • 今年も咲いたアマリリス
  • 野菜のトウ立ち
  • 野菜のトウ立ち
  • 野菜のトウ立ち
  • 野菜のトウ立ち
プロフィール

pac747

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ