還暦からの出発

日々の出来事と経済の動きを語る。花とカメラ、PCについての情報も。

2011年10月

慶応大学生の「軽さ」

全国大学生協連が Book Best 10 と題して各大学の生協で毎月売れている書籍の順位を公開している。

2011年9月の東大、早稲田、慶応、阪大、同志社生協でのBook Best10はこちら
http://www.univcoop.or.jp/campus/book/best10.html

東大ではさすがに官僚、国家、法律といった硬派の書籍が並ぶ。
早稲田では法律関係のほかに受験対策本の売れ行きが良い。
阪大でも法律書、科学書が多いが、小説もいくつかみられる。
同志社も法律、受験対策と小説が多い。

ところが慶応だけは第一位の「名探偵コナン73」をはじめ 「君に届け14」
「Working !! 10」とコミックがずらりと並ぶ。 5位の「僕の妹がこんなに可愛いわけがない9」 6位の「僕は友達が少ない7」もライトノベルと言われるジャンルの本だ。

2011年8月分をみるとさらにはっきりする。
http://www.univcoop.or.jp/campus/book/best10_1108.html
他の5大学はそれほど傾向が変わっていないにもかかわらず慶応は違う。

1位 One Piece 巻63、 2位 HunterXHunter 29、 4位 Naruto 巻57、
5位 バクマン。 14 、 6位 進撃の巨人 5、 9位 Bleach 51

何と売れ行き上位10のうち6までがコミックなのである。 いくら夏休みとはいえ大学生が読む本としては軽すぎないか?

2011年7月を見てみよう。
http://www.univcoop.or.jp/campus/book/best10_1107.html

慶応大学生協で売れているベスト1から6までがすべてコミックなのである。

よく世の中の流れにうまく乗って泳いで行くのが得意なのが慶応出身者だと言われる。 メディアの変化に敏感なのも慶応の良いところかもしれない。
しかし本当にこれでよいのか? 慶応。

「落語的学問のすすめ」

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「落語的学問のすすめ」 桂文珍著
潮出版社 1989年7月刊

今や落語界の重鎮になってしまった桂文珍氏が、関西大学で行った「講義」をそのまま本にしたものであります。

さすがに咄家だけあって授業もうまいものです。
テーマの設定の仕方、導入から、盛り上げ方、考えさせるところ、問題提起、笑わせるところ、受講者に参加させるところ、落ち、締めと手馴れていて感心させられます。

どれくらいこの授業のために準備をしたのか聞きたい気がしますが、毎週授業だとすると、忙しい文珍師匠のこと、それほど準備に時間が取れるはずがありません。 しかしうまい。 咄家というのは観客の反応を見ながら臨機応変に対応し、かつ本筋は外さず笑いを取りながら進めていくことが、もう身についてしまっているのでしょうね。
人前で話をするのが苦手な私にとってうらやましい限りです。

必ずしも大学の授業がすべて桂文珍師匠のような授業である必要はないとおもいますが、人前で話をする上でどうすれば聞く人の注意を惹きつけ、考えさせ、納得させ、方向性を持たせるかの極意がちりばめられています。 いわゆる起承転結が笑いの中に上手に埋め込まれているのです。
こういう機会が多い方には大いに参考になると思います。

もちろん笑いの古典も随所に出てきます。 日本に昔からあった言葉遊びもあります。 至る所に笑いがちりばめられているのですが、その一部を紹介します。

「赤子のしょんべん」の意味----赤ちゃんがおしっこをする----- 「ややこしー」
「牛のおいど」----- 牛はもうと啼く、おいどは尻 ----- 「もーのしり」
「ウサギのとんぼ返り」 --------------- 「耳が痛い」
「夏の火鉢」 ------------------- 「誰も手を出さない(女)」
「夏のハマグリ」---「身腐って貝腐らん」--「見くさって買いくさらん、ケチな客」
「無地の羽織」 ----  羽織にあるべき紋がない---- 「文無し、すっからかん」
「便所の火事」 ----- 「ヤケクソ」

なかなか味がありますね。 文字にしても面白いのですから、しっかりとした「間」を取って話をされると更に笑いを誘うに違いありません。

「戊辰雪冤」

bosin 「戊辰雪冤」 友田昌宏著
米沢藩士・宮島誠一郎の「明治」
講談社現代新書 2009年8月刊

「雪冤」とは無実の罪を晴らして身の潔白を明らかにすることで、冤という字にはかがむ、ぬれぎぬという訓読みがあり、裁判用語でも「冤罪」を晴らすなどでよく使われる。

雪深い米沢で、戊辰の無念を晴らそうという旧藩士の怨念を表現するうえで、実に的を得た使い方であると思う。

明治維新前後の人物と抗争については非常に多くの本が書かれ、資料も膨大で、小説にも幾多の名作が生まれているが、その多くは薩長土肥の志士たちをめぐるもの、幕府の役職者、特に徳川慶喜と勝海舟にまつわるものである。 視点も反幕府討幕、尊皇攘夷のあるか、新しい国家観に基づく国造りに置かれているものか、滅びゆく武士社会、幕府に対する哀惜の思いを着色したものが多い。

この本は会津とともに幕府側についていた米沢藩士であった宮島誠一郎というあまり有名ではない人物の考えと行動を追っている。
戊辰戦争前後に揺れ動く米沢藩の中にあって、関ケ原以来2度の国替えで藩の財政の維持立て直しが常に最重要課題であったこの藩を、如何に東北諸藩と共に戦わずに生き残るか。 そのためには薩長土肥と幕府ともに間に入って交渉ができる誠一郎のような人物が必要であった。

勝海舟、山之内容堂、松平春嶽などとの交流を経て米沢藩と上杉家の存続に全力を挙げるべく裏工作に走る誠一郎。 しかし勝海舟との交流を通じて、藩と藩の財政再建を最重要と考えていた誠一郎が、もっと広い日本という国の存続へと視野が広を広げていくところがしっかり描かれている。

その広範な人物との交流には驚かされる。 誠一郎の心のなかに一貫してあったのは、旧主君、旧徳川宗家に対する哀惜の念であったと思われる。 その念は国家が成立した明治維新後も変わらない。 藩より国を上に置き、新政府の中で官僚として勤め、持ち前の交渉力で三条、岩倉、大久保、木戸、板垣、大熊などととつながり、旧主君と藩の雪冤をはかる。

政治の表に立つことは殆どなかったが、上杉主君の名誉挽回、徳川慶喜の天皇との謁見実現の立役者であったにもかかわらず、自分はあくまでも陰にあって尽力することを自らの役割と任じていた。

当時の人物と思想を知るうえで、漢詩、漢文の果たした役割の重さに驚く。 当時多くを前に演説をするということは殆どなく、文章、特に漢文で上奏したり、檄を飛ばしたり、漢詩で思いをつづる、それも流麗な筆で格調高く表現できないと訴求力がなかったと思われるのである。 武士の素養として漢文を基本に教えられたこともあるだろうが、坂本竜馬のかなの手紙などは別にして、皆素晴らしい書と漢詩、漢文を残している。 漢文の素養のない私など、漢詩の手紙など相手が本当に理解できたのだろうかといぶかるほどである。

広範な資料を解析考察し、維新の元勲とは違うが、自分の座標を変えることなく、新しい国家の中で国造りに尽力しつつ旧藩、旧宗主のことを忘れなかった米沢藩士の生涯を描き出してくれた著者に敬意を表したい。
爽快な読後感である。

2011年10月太陽光発電実績

201110solar

10月の電気使用および余剰電力購入連絡票が届きました。
(画像をクリックすると拡大します)
上の表の緑の棒が発電電力量、紫の折れ線グラフが使用電力量を示します。
10月は曇りの日が多かったので発電量が低く、15kWhに達しない日が半数近くになってしまいました。 特に日中10時から14時までの間に太陽が出ないと厳しい。 大体この4時間で一日の8割近くを発電するのが通常だからです。

月初7日までの使用電力量が非常に少ないのは、この間家を空けていたせいです。 待機電力を消費する器具を含めて、できるだけの電気製品のスイッチは切って出ましたので、我が家では1日6kWhの電力は最低限消費することがわかります。 (おそらくそのほとんどは冷蔵庫、24時間換気システム、エコキュート、夜間の外灯が消費したものと思われます)
ちなみに我が家の照明はリビングの一灯を除きすべてLED又は蛍光灯です。

10月の明細です。 (単位円)

電力使用量

184kWh

4700.00

基本料金

-

2100.00

昼間料金

7kWh

203.05

朝晩料金

83kWh

1919.79

夜間料金

94kWh

861.98

燃料費調整

-

31.28

太陽光促進賦課金

-

5.00

全電化・機器割引

-

-420.57

請求電気料金

-

4700.00

余剰電力販売量

355kWh

17040.00

9月分の明細と比較してみると、対象期間が先月は34日間であったのに比べ、
10月は28日間となっているため、電力使用量で20%減、余剰電力販売量で40%減となっています。 また先月までは燃料費調整はマイナス調整でしたが、今月から+31.28円に上昇しています。 原発の停止によって東電の燃料調達コストが膨らみ今後この金額が更に増えていくことが予想されます。

まだ光熱費は12340円のマイナスで済んでいますが、発電量がここへきて急激に減少しているのが気がかりです。 この季節冷暖房を使用する必要がないので助かっていますが、冬になってお湯の使用量が増え、全館エアリーで暖房することになった場合どれくらいの電気代に膨らむのか心配です。

ただ10月からは電化上手の料金体系では季節割増料金として、夏季10時から
17時まではkWhあたり 33.37円と非常に割高だったのが、28.28円へと少し安くなります。それでも夜間料金9.17円の3倍以上です。 当分は朝は早起き、洗濯は7時までに終わるようにタイマー予約、自動炊飯器も7時には炊き上がるように予約、掃除機をかけるのも早朝に、という生活を続けてみようと思っています。

現代自動車韓国のトップ企業に

Hyudai10月26日東洋経済が報じたところによれば、今年上半期、現代・起亜自動車グループ上場9社の純利益が9兆1679億ウォンとなり、サムソン電子グループの上場13社の純利益8兆1036億円を上回った。
これにより現代自動車グループは韓国のナンバーワン企業の座を1990年以来奪還したことになる。(3位はポスコ、4位は現代重工業、5位LG,6位SK, 7位ロッテと続く)

サムソングループが主力の半導体、液晶パネルの市況悪化で上半期の利益が20%減少したのに比べ、現代自は前年同期比実に42%増となったことによる。

東日本大震災、円高で苦しむ日本企業を尻目に現代自動車は今年末には海外生産328万台、国内を含めると年産650万台となり、トヨタ、GMに続いて世界第3位の自動車メーカーに躍進する。日本ではバス以外全くと言っていいほど売れていないが、アメリカ乗用車の今年1月~8月の販売台数でも77万台とGM, Ford, トヨタに次いで第4位、シェアも9%超えと日産、ホンダを凌駕した。

Hyudai といえば一昔前には粗悪自動車の典型であった。 上のLOGOでもわかるように遠くから見るとHonda のLOGOそっくり、現代の韓国読みはHeondaeらしいが、英語表記はHyundai でHonda に酷似している。 実際にUSではHondaと間違えて買いに来る人もいたそうである。

1973年からは三菱自動車の技術協力によりポニー、エクセル、ソナタなどを販売、1986年にはUSに進出した。 一時はウォン高、ストなどによる経営不振で起亜自動車に身売り話が出たり笑い話の種にされるほど品質が悪かったが、
http://ansaikuropedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A
大幅リベート、10年10万マイル保障で盛り返し、今年に入っては日本車メーカーが軒並みシェアを落とす中で、コストパフォーマンスの高い車として人気を博し、2000年以来前年比15-20%増の販売台数を実現している。

この陰で最も影響を受けたのが日本メーカーだとされる。
25日のLA TimesのWEB版ではアメリカの非営利消費者組織Consumers Union がだしたレポートの中で、も最も信頼ある車のトップ10を挙げている。

  1. トヨタ・レクサス CT200h
  2. ホンダ・CRZ
  3. 日産・インフィニティ QX56
  4. トヨタ・サイオンxD (日本名 IST)
  5. トヨタ・ハイランダー(同クルーガー)
  6. トヨタ・レクサス ES
  7. 日産・タイタン
  8. ホンダ・フィット
  9. トヨタ・プリウス
  10. トヨタ・RAV4

しかし実際に売れている車はこのランキングと一致していない。 このところアメリカの消費者の車を選ぶ基準が変わってきていることも影響しているに違いない。(ちなみにワーストはジャガー、アウディなどが続く)

日本の自動車メーカーの数は乗用車だけで8社。 韓国は現代グループだけで、国内競争は無い。 電気電子機器で日本の電機メーカーすべてを合わせたより多い利益をサムスン電子一社で稼いでいる。 自動車もその二の舞を演じるのだろうか?
残念ながらタイの洪水によって日本車メーカーの受難は又新しい段階を迎えている。その間に現代自の躍進はさらに加速しそうだ。

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